だんだんドイツは本格的に寒くなってきました。ここ数日、朝は零下になっています。10月の前半は逆に暖かくて、ドイツの秋とは思えない穏やかな陽気だったのですが、まるでその分を取り返すかんじの冷え込みです。
とは言っても天気は良くて、明るい日が続いているので、1週間後に迫った冬時間への切り替えを前に、お日様の光を楽しむ最後のチャンスという感じです。冬時間になると、日の入りが一気に一時間早まることになるので、日が短くなっていくこの時期に追い打ちをかけられる感じになるのです。
テューリンゲン州の学校は今週と来週は秋休みです。キリスト者共同体という教会の主催で、国境を越えてチェコからドイツに歩いてくるハイキングの計画があり、僕はちょうどその日の稽古がなくなったので息子と二人で参加してきました。このキリスト者共同体はシュタイナー学校とも深いつながりがあり、ここの宗教の授業には息子も通っていますし、僕らも・・・僕らはクリスチャンではありませんが・・・催しにはよく参加させてもらっています。
スタートした時点では最初の写真の通り、一面の霧で日が差していませんし、気温も零度くらいでなかなか寒かったです。
電車で2時間半ほど揺られてチェコに入り、ヴォイタノフ(Vojtanov)駅で下車し、山の中を通ってバート・ブラムバッハ(Bad Brambach)駅まで歩く、約18kmのコースです。
僕は、ヨーロッパデビューがチェコの首都プラハのプラハ国立歌劇場でしたし、その前後にも何度か演奏でプラハや、ピルスナービールの故郷であるピルゼン(チェコ語ではプルゼニ)を訪れています。チェコという国にはすごく親近感があるんです。今年の夏のデュオ・リサイタルではチェコ語のアリアも歌いましたね。
歩き始めてすぐくらいの所で、家の前にきのこを並べて売っているところがありました。きのこの季節ですからね。道中もずいぶんきのこ狩りの人たちを見かけました。でも毒きのこも多いですから、ちゃんと知識がないときのこ狩りは無理ですね。
この写真は、まだチェコ国内でしたがドイツ語で「Elster Quelle」と書いてあるのが見えますね。ゲラ市を流れているエルスター川の源泉の一つです。友達が「ゲラまで泳いで帰れるぞ!」というので大笑いしてしまいました。参加したみんながそれぞれ、自分の庭でとれた野菜などをもちよって、昼休みを取りました。この泉の水で入れたコーヒー、美味しかった。うちは嫁さんが作ってくれたアップルパイ・・・知人のうちの庭のリンゴで作りました・・・とサンドイッチを持っていきました。
この写真はチェコからドイツに入ったところです。たぶん僕は生まれて初めて「歩いて国境を越える」という事を経験したと思います。今までヨーロッパの中もずいぶん動きましたが、国境越えは飛行機か車、電車ですから、徒歩で国境を越えて、右足と左足が違う国にのっている、なんて事はあり得なかったのです。日本の場合は国境が海にあるから歩いて渡ると言う事はあり得ないですよね。
今までこういう企画にはなかなか参加できなかったのですが、せっかくの機会でちょうど稽古もない日だったので、行けて本当に良かったです。
このハイキングの前日は、アルテンブルク市立歌劇場での震災チャリティーコンサートでした。4月にゲラでは一度チャリティーコンサートを行いましたが、アルテンブルク市の劇場後援会から、是非アルテンブルクでもあらためてチャリティーコンサートをして欲しいと言う要望があり、ここ数年はアルテンブルクで実現しなかった歌曲の夕べを行うことになったのでした。
小さなホールでの演奏会でしたが、予想を超えて多くの方々が来て下さり、1000ユーロを超える義援金が集まりました。ゲラで5月に行った演奏会とほとんど同じプログラムだったのですが、より自然に詩と音楽に向かい合うことが出来て、とても充実した演奏会になりました。当たり前のことではありますが、ドイツ歌曲を歌うと本当に客席の反応がダイレクトなので、そのキャッチボールをしっかり楽しむことが出来たと思います。子供も結構来てくれていて、小学生が二人終演後にサインを求めて楽屋に来てくれたのには感激しました。
さてさて、以前にお知らせしたように、文化庁月報という文化庁が発行しているウェブ機関誌に、僕の記事が掲載されました。是非ご覧下さい。
公式サイトの情報ページはこちらです。
前回のニュースレターでご案内した大阪交響楽団の演奏会ですが(情報ページはこちらです)、NHK−FMが収録をすることになりました。放送日などはまだ未定ですが、追ってお知らせしたいと思います。